偏差値について

偏差値について

偏差値⇒学力検査の得点(素点)を、全体の平均点と標準偏差により正規化した値

つまりテストの問題の難しさ・やさしさ(平均点の高い・低い)にも左右されず、テストの参加人数にも左右されず、常に自分の学力位置をつかめ、自分の学力の推移がつかめる『便利なモノサシ』、これが偏差値です。

公立でも私立でも、学校によってそれぞれ学力のレベルが異なります。受験校を選ぶ際、実際に入試で合格することができるのか、入学後勉強についていけるのかといった点で、各学校の難易度が自分の学力と合っているかどうかは受験校選びの重要なポイントになってきます。

そのための参考指標の数値として『偏差値』というものがあります。

なぜ、偏差値を使うのか?

入試では、いわゆる内申書も判定材料にありますが、最も中立性と客観的な要素である入学試験当日の得点順が、合否を決める有力なものになります。

受験というのは、決められた得点以上の人が全員合格するのでなく、得点の上位から決められた分だけの受験者を合格にする方法です。ですから、自分が志望する学校の受験生の中で、自分がどのあたりの成績であるかを知ることが必要になってきます。

なぜ、得点だけでは判断できないのか?

他の人と自分の成績をくらべる方法はいくつかあります。まずあげられるのが『得点』です。しかし、得点は問題の難しさによって違ってきます。表を見てください。得点だけで見ると1回目の方が高得点です。しかし平均点を比べると2回目の方が成績(順位)がよかったことになります。

でも、平均点が分かっても、それだけでは、自分が全体で何番目くらいの成績かよく分かりません。このように得点は問題の難しさに左右されますから、順位はもちろん、学力の推移(だんだん良くなってきているとか、下がってきている)もうまくつかめません。また科目が違うと、得点では成績の高い、低いを比較することができません。

 
1回目 2回目
得点 70点 60点
平均点 70点 55点

なぜ、順位では判断できないのか?

では、テストの順位はどうでしょう。順位が分かれば自分の位置が一目で分かります。

しかし、順位で自分の位置を知るためには、同じ学校を志望する受験者全員が、テストのたびに集まらなければなりません。中学・高校入試は広範囲から多数の受験生が集まるものです。毎回これだけの人数を実際に集めてテストをすることは不可能ですから、順位で志望校の合否を判定することはできません。

偏差値の出し方を簡単に言うと・・・

テストの平均点を偏差値50として、平均点より高くなるにつれて、51・52・53・・・と上がり、最高で75あたりです。平均点より低くなるにつれて、49・48・47・・・と下がり最低で25あたりとなります。この偏差値25〜75の間に大部分の人(99%)が含まれます。

でも、偏差値55とか60とかいう数字から、どうして自分の成績の位置が分かるのか不思議に思うでしょう。

 

右の表を見てください。偏差値ごとの上位からの人数分布(パーセント)は決まっているのです。たとえば偏差値55ならば100人中で約31番目の成績だと分かりますね。

偏差値は常に自分の成績の位置をつかめる便利なモノサシです。問題の難しさや易しさで得点が違っても、偏差値による評価の基準は変わりありません。

偏差値の利用法

このように偏差値は、自分の成績の位置を知るための便利なモノサシですが、次の点に注意してください。

偏差値は±3の幅をもたせてください。
偏差値55だったとすれば、±3の範囲、つまり偏差値52〜58が実力範囲だと考えてください。

学校の合格基準に用いられるのも偏差値です。当ページの合格ライン偏差値は、合格率80%の位置(同じ偏差値の人が10人受験したら8人合格するという意味)を示しています。志望校に合格できるかどうか、客観的ではっきりとした資料となるのも偏差値です。各模試の自分偏差値と当ページの合格ライン偏差値を照らし合わせて、志望校・受験校を探して下さい。

またページ内の表で出てくる専願と併願のことも簡単に説明しておきます。

専願と併願について

大抵の私立の学校では、専願と併願の2つの受験区分を事前に願書などに表示を求めています。

  • 専願というのは、その高校に合格すれば必ず入学する意思を明確にして受験する方法。
  • 併願というのは、第一志願校は他にあり、その”すべり止め”として受験することをいいます。

京都の私立の中学や高校は入試日を統一していますから、私立と私立を併願受験するというケースは稀有でもあり、一般的には第一志望が公立で、その”すべり止め”として私立を受けることを指します。ただし、滋賀、奈良の私立は、京都、大阪の私立より5日早く入試を行いますから、たとえば奈良の私立と京都の私立の併願受験は可能です。

私学にとって専願受験生は、合格すれば必ず入学してくれる生徒ですから”すべり止め”に受けにくる併願受験生より、合否判定で有利に取り扱うことはいうまでもありません。たとえば、5教科500点満点で専願の合格ラインが300点とすれば併願の合格点は330点という具合に高くなります。

専願と併願で合格点にどれぐらいのひらきがあるか、これは学校によって、また年度によって違ってきますが、専願が有利であることは動かし難いところです。 ただし一部の高校では専願、併願の区別をしていないところがあったり、専願者しか受験できない学科やコースを設けている高校もありますので、事前によく調べておいていただきたいものです。

また、京都の約半数の私立高校では、専願ではなく、推薦というシステムをとっています。各高校によって、それぞれに推薦基準(調査書の評定)があり 、その基準を満たしている生徒が、出身中学校長の推薦を受けて受験するわけです。

それだけに、推薦で受験した場合、不合格になるケースは少ないのですが、合格すれば、専願と同様にその高校に入学しなければなりません。

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