今さら当たり前のことですが、世の中で評価されるためには地道な努力は絶対に必要です。
しかし、私の記憶では20年前あたりからか、さまざまな分野の商品の宣伝広告や本のタイトルなどで「すぐに〜できる」「あっという間にできる!」「らくらく〜が身につく!」といったキャッチコピーがあふれるようになりました。
この20年の間にいえるのはネット・ケータイ・スマホの浸透した時代です。つまり情報が氾濫する時代になり、スピード感も求められるようになった背景があるのでしょう。我々大人がついそのような文句にひかれて、短時間で楽をしてマスターできそうに思い、日常の中でも楽をできるものを探そうとしがちです。
たとえば英会話などが思い浮かびます。「3か月で英語がペラペラ」「ただ浴びるように英語を聴いているだけで自然に英語が話せるようになる」・・などですね。
大半の人はその文句通りにはなっていません。(もちろん継続する意思や取組み方の問題もありますが・・。)
いえることは世の中で高く評価される技術がそう簡単に身につくはずはないことです。またそんなに簡単に習得できるなら世の中で評価されるはずはありません。
世の中で評価されるものは簡単に達成できないからこそ評価されるのです。つまり「評価されるもの=簡単に達成できないこと」といえるのでしょう。
そんなことを書いている私が実は今までそういう宣伝広告に弱かったのです。いろいろ覚えたいことが多くついつい「楽に覚えられる〇△!」というような本をたくさん読んでみました。そういう本は、読み終えるのは早いのですが、内容は深く書いていないので覚えにくいということを実感してきました。今はそういったタイトルの本は読まないようにしています。
資本主義社会の日本で、競争が激しいこの世の中で、刺激的なキャッチコピーで商品をアピールするのは悪いことではありません。それにのっかかるかどうかは個人の見識や眼力にかかっています。
皆さんも勉強も“甘い話”はないと思いましょう。たとえば、社会を覚えられないという悩みをよく聞きますが、各地域や歴史の背景などをじっくりつかんで覚えていったほうが時間はかかりますが、脳には長期記憶としてしっかり定着するものです。
「急がば回れ」ということわざが最も端的にこのことを言い表しています。
皆さんも“地道な努力”が最も最短距離で実力がつくと信じて頑張ってほしいものです。